カナダ親子留学 保護者主体

子育てと学業の両立に向けて知っておきたい重要ポイント

近年、保護者自身が大学、大学院での学びを目的に、未就学児や小学生のお子さんを連れてカナダに留学する「保護者主体の親子留学」への関心が高まっています。キャリアアップや学位取得を目指すと同時に、子どもにも国際的な環境での成長機会を与えたい――そんな思いから選ばれるこの留学スタイルには、多くの可能性が広がっています。

とはいえ、慣れない土地で子育てをしながら学業を両立させるのは、決して簡単なことではありません。特に大学院での学びは、講義を受けるだけでなく、自身の研究テーマについて発表やプレゼンテーションを行い、他の学生とのディスカッションを通して理解を深める形式が一般的です。英語で論理的に意見を述べる力や、限られた時間内で効果的に準備する力が求められます。

そんな日々の学業と並行して、子どもの学校やデイケアへの送迎や学校行事への参加、家庭でのケアなど、多くの責任を担うことになります。そのため、事前の準備と柔軟なスケジュール管理は不可欠です。現地のデイケア事情、教育サポート体制、家族で安心して暮らせる住環境などを、渡航前にしっかりとリサーチしておくことが、充実した留学生活を実現する鍵となります。

本記事では、カナダでの親子留学を成功させるために、子育てと学業の両立に役立つ重要なポイントを詳しく解説していきます。

 

就学前のお子様のがいる場合はデイケア問題

 

早期の準備が成功のカギ

 カナダでは、就学前のお子様を預けるデイケア(保育園)の確保が最も重要な課題の一つです。日本の保育園とは制度や運営方法が大きく異なるため、事前の理解と準備が欠かせません。

 

ライセンス制デイケアセンター vs ファミリーデイケア

 カナダのデイケアは大きく分けて、ライセンス制のデイケアセンターと家庭的保育(ファミリーデイケア)の2種類があります。ライセンス制のデイケアセンターは質の高いケアを提供しますが、ウェイティングリストが長く、入園まで数ヶ月から1年以上待つことも珍しくありません。特にバンクーバーやトロントなどの主要都市では競争が激しく、妊娠中から申し込みをする現地の家庭も多いほどです。

 一方、ファミリーデイケアは個人の家庭で少人数の子どもを預かる形態で、比較的柔軟な対応が可能ですが、提供者によって質にばらつきがあります。

 

デイケア費用

 費用面では、州によって異なりますが、一般的に月額1000ドルから1,600ドル程度が相場となっています。留学準備の段階で、現地のデイケア情報を収集し、可能であれば渡航前に見学や申し込みを進めておくことが重要です。また、デイケアが見つからない場合の代替案として、ナニー(ベビーシッター)の利用も検討する必要があります。さらに、子どもが病気などでデイケアを利用できない場合に備え、緊急時に頼れるナニーも確保しておくことも安心につながります。

  

学童サポートの違い

 

日本とは大きく異なるアフタースクールシステム

 小学生のお子様をお持ちの場合、日本の学童保育に相当するアフタースクールプログラムの理解が必要です。カナダの小学校は一般的に午後2時30分から3時30分頃に終了するため、保護者が学校で学んでいる間の子どもの居場所確保が課題となります。

 

アフタースクール
プログラムの種類と内容

 カナダのアフタースクールプログラムは、学校内で実施されるものと、地域のコミュニティセンターやYMCAなどで提供されるものがあります。プログラムの内容はスポーツ活動、アート&クラフトなど多岐にわたり、子どもの興味や能力に応じた活動が提供されます。

 

日本の学童保育との大きな違い

 しかし、日本の学童保育と大きく異なるのは、利用時間や柔軟性の面です。多くの学童プログラムは午後6時頃までで、大学の授業やセミナーが長引いた場合の対応が限られています。また、月一回の小中高の学校の休業日(Pro-DDay)や長期休暇中のケアも別途手配が必要で、保護者の学習スケジュールとの調整が重要になります。

 

子育てと学業の両立

 

時間管理とサポートネットワークの構築

 保護者主体の親子留学で最も困難なのが、子育てと自身の学業との両立です。大学や大学院の課程では、授業への出席だけでなく、研究時間、グループワーク、大学図書館での学習時間の確保が必要で、日本での学習以上に時間的な制約があります。

 

成功のためには、効率的な時間管理システムの構築が不可欠です。多くの留学生が活用しているのは、デジタルカレンダーでの家族全体のスケジュール管理、週単位での学習計画の立案、そして緊急時のバックアププランの準備です。

 

また、現地でのサポートネットワーク構築も重要な要素です。同じような状況の留学生家族、現地の日本人コミュニティ、大学の留学生サポートサービスなど、複数のサポート源を確保することで、困難な状況を乗り越えやすくなります。多くの大学では留学生向けの家族サポートプログラムを提供しており、子育て中の学生同士の情報交換会なども開催されています。

 

住居選択

 

立地と設備の重要性

 親子留学では住居選択が生活の質を大きく左右します。単身留学とは異なり、子どもの安全性、学校へのアクセス、生活環境の質など、考慮すべき要素が大幅に増加します。

 

最も重要なのは立地の選択です。お子様の学校、保護者の大学、デイケアやアフタースクールプログラムの場所を三角形で結んだ際の移動効率を考える必要があります。公共交通機関の利便性も重要で、特に冬季の移動を考慮した住居選択が求められます。

 

住居の設備面では十分な収納スペース、子どもが安全に過ごせる環境が必要です。また、近隣に公園や図書館、医療機関、食料品店などがあることも、日常生活の質を向上させる重要な要素です。

 

費用面では、家族向けの住居は単身用より大幅に高額になります。例えば、バンクーバーでは、2ベッドルームのアパートで月額2,200ドルから、3,000ドルの費用が必要です。一部の大学では家族向けの学生寮を提供していますが、数が限られているため早期の申し込みが必要です。

 

カナダの児童保護法

 13歳未満の子どもの単独滞在禁止

 カナダで親子留学を行う際に絶対に理解しておかなければならないのが、児童保護に関する法律です。カナダでは州によって詳細は異なりますが、一般的に13歳未満の子どもを一人で家に残すことは法律で禁止されています。

 

この法律は、保護者が大学で長時間の授業やセミナーに参加する際に大きな制約となります。日本では小学校高学年になれば一人で留守番をすることが一般的ですが、カナダでは10歳や11歳の子どもでも一人にすることは、できません。

 

違反した場合、児童保護サービス(ChildProtective Services)による調査や、最悪の場合は一時的な親権剥奪の可能性もあります。そのため、保護者の学習スケジュールに合わせた適切な監督体制の確保が絶対条件となります。

 

この制約を理解した上で、ベビーシッターサービスの利用、親族や友人のサポート、大学の託児サービスの活用など、複数の選択肢を事前に準備しておくことが重要です。

 

医療制度の違い
 予防接種と緊急時対応

 カナダと日本の医療制度には大きな違いがあり、特に子どもの医療に関しては事前の理解が必要です。

まず、予防接種のスケジュールが日本と異なります。カナダに入国後、現地の予防接種記録に合わせるため、追加接種が必要になる場合があります。また、学校入学時には予防接種証明書の提出が義務付けられているため、渡航前に必要な接種を完了させ、英文の証明書を準備しておく必要があります。

 

カナダの医療制度では、一部の州では留学生も州の健康保険に加入できますが、待機期間(通常3ヶ月)があり、その間は民間保険でカバーする必要があります。州によって留学生への対応が異なるため、渡航先の州の制度を事前に確認し、適切な民間の留学生保険への加入が必要です。特に子どもの医療費をカバーできる充実したプランを選択することが重要です。

  

緊急時の対応についても、日本とは大きく異なります。カナダでは救急車の利用が有料(45ドルから500ドル)で、軽症での救急外来受診は長時間待機することが一般的です。一方、Walk-inClinicと呼ばれる予約不要のクリニックもあり、軽症の場合はこちらを利用することが効率的です。

 

成功のための総合的な準備戦略

 保護者主体のカナダ親子留学を成功させるためには、渡航前の綿密な準備と現地での適応力が求められます。特に重要なのは、子どもの教育環境と保護者の学習環境の両方を同時に整える複合的な視点です。

 

事前準備の段階では、現地の教育システム、デイケア・学童保育制度、医療制度について詳細な調査を行い、複数の選択肢を用意しておくことが重要です。また、現地の日本人コミュニティや大学の留学生サポートサービスとの連絡を取り、情報収集とネットワーク構築を進めることも成功の要因となります。

 

経済的な準備も欠かせません。子どもの教育・保育費用、住居費、医療費など、単身留学の1.5倍から2倍の費用を見込んでおく必要があります。緊急時のための予備資金も重要で、想定外の費用に対応できる財政的余裕を確保しておくことが安心につながります。

 

まとめ

保護者主体の親子留学は、多くの困難を伴いますが、保護者自身の学習・研究に集中できる環境と、子どもにとって貴重な国際経験を同時に実現できる魅力的な選択肢です。十分な準備と現実的な計画により、家族全体にとって価値ある留学経験を築くことができるでしょう。異文化の中で家族が共に成長していくその過程は、何にも代えがたい宝物となるはずです。

私たちは、こうした親子留学の実現に向けて、現地の教育情報、生活サポート、留学手続きなどあらゆる面でお手伝いしています。不安なことや疑問があれば、ぜひお気軽にご相談ください。あなたとご家族の留学が、実りあるものとなるよう全力でサポートいたします。

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