先日9年生の息子が次世代のリーダー育成を目指すカナダの画期的なプログラム「TakeOur kids to work Day」を体験しました。
「TakeOur Kids to Work Day」とは、親、親戚、または大人の友人と一緒に仕事について行き体験する日です。
毎年カナダ全土で20万人以上の生徒が保護者と共に「TakeOur Kids to Work Day」に参加しているそうです。
「TakeOur Kids to Work Day」は、9年生の生徒たちに以下の機会を提供することを目的としています。
•両親のさまざまな役割と責任を知り、家族を支えるために何をしているのかを理解する。
•両親や他の思いやりのある大人とより親密な対話を築く。
•多様な労働コミュニティにおける個々の仕事への理解を深める。
•教室と職場の経験を直接結びつける。
•キャリアの機会を追求する上で継続的な学習の重要性を認識する。
•職場の現実と要求を知る。
•学校に通い続けることの重要性を理解する。
このようなキャリア教育カリキュラムは生徒が個人的な興味、情熱、能力を認識し、発展させ始めることをサポートすると考えられています。
仕事に関連した経験から学ぶことは、こうした意識の高まりを育むのに役立ちます。
仕事と幅広いキャリア機会について直接学ぶことは、カリキュラムの不可欠な部分です。
また職場体験を通して、教室での授業が学生や大人にとってどれほど重要かを示すことができます。そして、このプロジェクトは、企業に自社の取り組みを披露し、未来の労働力とつながる機会を提供し、従業員は、自分たちの仕事ぶりや、効果的に働くために必要なスキルを示すことができます。
息子はこの「TakeOur Kids to Work Day」をとても楽しみにしていました。
なぜなら夫がレストランを近々オープンさせるため自分もそのレストランのために少しでも役に立ちたいと思ってくれていたようです。
夫も息子の気持ちをわかっていたので、熱心に参加できるようにどんなことを経験させようかと考えていたのですがやはりオープン前なので急な打ち合わせが入ったり電話での対応に追われたりでなかなか息子に時間をかけることができずバタバタと忙しく動き回っていました。
息子は他の従業員が働いている様子や夫の忙しそうな様子を注意深く観察して自分にできそうな仕事はないか考えているようでした。
従業員が掃除をしている様子を見て自分から何かできることはありませんか?と尋ね一緒に掃除に参加していました。
普段家では自分からトイレ掃除などしてくれないのですが、自ら率先してトイレ掃除をしてくれていました。
あとで聞くと何人かと協力して仕事をすることは1人でやるよりもやる気が出たし仕事仲間の一員として入れてもらえたような気持ちになり自分が少しでも仕事の役に立てたように思えて嬉しかったと言っていました。
また夫以外の職場の従業員の皆さんが息子に優しく声をかけてくれて気にかけてくれる気持ちがとてもありがたかったとも言っていました。
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夫が用意していた仕事の一つにペンキ塗りの仕事がありました。
お客さんから見えるところでもあるので慎重に一生懸命塗り終えました。
従業員の皆さんにありがとう、助かったよと言ってもらえた息子の顔が本当に嬉しそうで親が褒めた時とはまた別の嬉しそうな表情だったことがとても印象的でした。
帰宅後に感想を聞いてみると仕事として動き回ることは初めてでかなり疲れたようです。
毎日継続して働くということの大変さ、お金を稼ぐということは簡単なことではないと改めて気づいたようです。
そして職場にいろいろな人がいて尊重し合いながら話し合いをしたり、協力して仕事をスムーズに進めている様子にも気づいたようです。

「TakeOur Kids to Work Day」を経験し将来の自分の仕事について考える機会にもなり自分はどんな仕事をしたいのか何ができそうかなど考えるきっかけを息子に与えてくれました。
まだはっきりと本人も何ができるか、何がしたいかわからないようですが仕事をして自立して行くことについて考えるいいきっかけになったのではと思います。
私たちも息子に一生懸命働いている姿を見せられたことは私たちにとってもいい経験になり嬉しいものでもありました。
息子に自分の将来の仕事について考えるきっかけになったんじゃない?と聞いたらまだ何の仕事がしたいかはわからないけど人の役に立てる仕事がしたいと思ったと話してくれました。
この「TakeOur Kids to Work 」の経験が息子の将来の勇気のいる冒険へのちょっとした後押しになり、息子の可能性を引き出すだけでなく未来を明るく照らす道しるべになっていくのかもしれないなあと感じました。
このようなキャリア教育プログラムがあり素晴らしい経験を親子ともどもさせてもらえたことに感謝しています。
執筆者
カナダ在住ママ:Riku







