カナダでヘルスケアエイド(介護士)として活躍するあきさんにインタビュー

近頃はカレッジや専門学校でスキルを身に付けカナダで仕事をしたい、更には将来移民を目指したいという方が増えています。

特に最近は、介護士の資格に関するお問い合わせが増えています。カナダで介護士はヘルスケアエイドと呼ばれ、医療チームのメンバーとして仕事をします。


これまで介護士を目指して学校に通っている留学生や、日本で看護師をされていた経験を活かしてカナダで介護士の仕事をしている方にインタビューをしてきましたが、今回はバンクーバーで長年ヘルスケアエイド(介護士)としてお仕事をなさっているあきさんに、仕事の内容やヘルスケアエイドになるためのステップなど伺ってみました。

ヘルスケアエイド(介護士)を目指した理由を教えて頂けますか?


亡くなった祖母が認知症を発症後も何年か、母が自宅で介護をしていました。

当時高校生だった私も少し手伝いしましたが、優しかった祖母が私に暴言を吐いたり、叩いたりしてきたこと、その時は深く傷つきました。

いつか認知症のことを勉強しようと思っていました。

また、日本にいる高齢の母をいつか介護する日が来ると思い、介護の知識を身につけたいと思っていました。

英語が第二外国語の自分にとって、英語を使って働く職場で、求人も多く、他のヘルスケアの仕事よりも少しハードルが低いように感じ、ヘルスケアエイド(介護士)を目指すことにしました。


カナダでヘルスケエイド(介護士)になるまでの手続等を教えてください。


私立、公立含めて、多くの学校でヘルスケアアシスタントコースがあり、英語を母国語としない人たちの為のコースもあります。

英語はグレード10(高校1年生)レベルが必要とされていますが、学校によりますので、英語のレベルが足りない?とあきらめないでください。


私の通った学校は私立の学校で、2005年当時は、3週間の老人ホームでの実地研修を入れて6か月で、Certificate(修了書)を取得できました。

現在は処方薬なども学ぶ事になり、履修する内容が濃くなり、コースも7ヶ月から8ヶ月位と長くなっているようです。


学校を卒業して修了書取得後は、BC Care Aide & Community Health Worker Registry に登録して仕事を探す事になります。私はブリティッシュコロンビア州で学校に行きましたので、州認定の期間に登録しました。登録は一度限りではなく、その後2年か3年に一度オンラインで資格の更新をする必要があります。


ヘルスケアエイド(介護士)を目指すときに知っておくべきことはありますか? 


公立の学校を卒業しないと、医療サービスを提供する公立の地域保健機関では働く事が難しいと思います。私は私立の学校で修了書を取得しましたが,その後公立のカレッジでも新たにコースを受講しました。最初はホームケアの仕事からスタートして、その後私立の老人ホーム等で働きました。現在はNPO機関の障害者グループホームで仕事をしています。


新型コロナウイルスのパンデミック後は、シニアホームで働く職員は、現在は2回のワクチン接種が必須になりました。また、毎年インフルエンザの予防注射をするよう、薦められます。

特に病院で働きたい方などは、水ぼうそう、はしか、狂犬病等、ご自分の予防注射の履歴を控えておくとよいと思います。


仕事内容について具体的に教えて頂けますか?

また、お仕事の苦労などを伺っても宜しいですか?


ヘルスケアエイド(介護士)は、忍耐、体力、対人スキルが必要な仕事です。

例えば認知症の方を入浴誘導する際、2倍の時間がかかることがあります。

お一人にかける時間が限られていますので、決して否定をせず、良好な会話ができるよう、考慮することが必要です。


クライアントさんによって扱い方が違ってきます。家族の方からクライアントさんの情報を事前に得ておくことがとても大事です。特にクライアントさんが喜ぶ事を前もって知っていると、お世話をする時にとても役に立ちますね。


立ち上がれない方の移動介助は、リフトを使いますが、ベットでの体位移動等、腰に負担がかかります。腰痛の原因になることもありますから注意が必要です。


お風呂等の介助をする間、身体の隅々までアザができていないか、床ずれがないか等、皮膚の状態や、足が腫れていないか、便の状態や排尿の状況等、何か異常があれば、看護婦に報告し、指示を仰ぎます。常にアンテナをはってクライアントさんに接しています。


クライアントさんの状態は毎日変わります。言葉にできない人もいますから、顔色や食欲等をみてこちらからクライアントさんの体調に注意してあげます。


お仕事をされていて良かったことや嬉しかった事を教えてください。


クライアントさんや家族に「ありがとう」とか「大変でしょう」とか労いの言葉をかけてもらえる時がとても嬉しいですね。

手に職をつけて介護や対人スキル、ヘルスケアの知識が身につけられたことは本当に良かったと思います。

他のスタッフさん、例えば看護婦や、医師など医療従事者のプロフェッショナルの方々と関わりながら仕事ができ、多くを学べることもやりがいに繋がりますね。


雇用環境や雇用体制についてお聞かせください。


残業はほとんどありません。まれに、スタッフが病欠で、オンコールスタッフ

が見つからずシフトを数時間カバーすることがありますが、基本的にはほぼ定時退勤です。


日本と比べて初任給が違いますね。また離職率は高くありません。福利厚生は充実しており、雇用環境は整っていると思います。


シニアホーム等の大きな施設で働く場合、最初からフルタイムの仕事に就けるとは限りません。最初はパートタイムでオンコール・スタッフとして雇用されることが多いと思います。

経験を積んでいく中で、フルタイムのスタッフのポジションが空いた時に、条件があえばフルタイムの仕事に申し込みます。経験を積みながら上にいき、軌道にのるまで少し時間がかかる場合もあります。


施設によって多少の時間差はありますが、大抵下記のような3シフト制です。

朝(午前7時から午後3時迄)

夕方(午後3時から夜の11時迄)

夜 (夜の11時から翌日の朝迄)


これからカナダでヘルスケアエイド(介護士)を目指す方にアドバイスをお願いします。


仕事の大変さを色々とお伝えしましたが、大変な分達成感がある仕事です。

最初はケアエイドから始めて、LPN(准看護婦)RN(正看護婦)を目指して勉強をしている同僚も沢山います。


例えばAcute Care for Health Care Assistantsのコースを受講して、その資格を活かして病院のAcute Care(急患治療)でも働く事ができます。スキルをどんどんアップグレードして更に上を目指す事ができますから、やる気のある人にはモチベーションにもなりますね。

また、職場でも色々研修をしてくれますから、常に新しい事を学ぶ事ができます。


認知症の患者さんは怒った顔にはあまり反応せず「笑顔」は認識できたという話を聞いたことがあります。笑顔が印象に残るという事でしょうか? やはり「笑顔」が大事ですね。


ヘルスケアの仕事に興味があるけれど、英語が心配と迷っている方は、とにかくその環境に自分をおいてみることをお勧めします。ある程度の日常会話ができれば英語は後からついてきます。

最初は飛び込む勇気がいりますが、新しい環境に慣れれば、自信もついてくると思います。ぜひ挑戦してみてください。

インタビューを終えて


仕事と家庭を両立させて長年お仕事をされているあきさんですが、やりがいを持ってお仕事をされている様子が伝わってきました。将来のリタイヤについて聞いてみましたが、この業界では特にリタイヤの時期は決まっておらず、体力勝負と仰っていました。自分が辞めたいと思った時がリタイヤでしょうかとも仰っていました。笑顔でクライアントさんに接しながらご自身の仕事に誇りを持ってお仕事をされている熱意が伝わってきました。


日本で介護士は福祉分野になりますが、カナダでは医療分野に属する職業です。

現在BC州では約7000人新しいヘルスケアエイドを増やそうという政策も出ており、カナダ全体としても今後益々需要が高くなるのは確かです。

将来カナダでヘルスケアエイドを目指して留学したい、更にはカナダでの移民も検討したいと考えていらっしゃる方はどうぞお気軽にお問い合わせください。

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