カナダの小学生の習い事:日本との比較

カナダの小学生は、学校の授業だけでなく、さまざまな習い事に参加しながら成長しています。日本と同様に、スポーツ、音楽、アート、学習に関連する習い事が人気ですが、それぞれの国で習い事の文化には違いがあります。

また、カナダでは教育委員会(ボード・オブ・エデュケーション)やコミュニティセンター(地域住民が集まり、スポーツ、文化、教育、福祉などの活動を行う公共施設)による地域のクラスも充実しており、誰でも気軽に参加できる環境が整っています。

今回は、日本とカナダの習い事を比較しながら、カナダの小学生が取り組む課外活動についてご紹介します。

スポーツの習い事
カナダ:チームスポーツが盛ん

カナダでは、アイスホッケー、サッカー、バスケットボール、水泳などのスポーツが人気です。特にアイスホッケーは国技とも言えるほど盛んで、幼少期から始める子どもが多くいます。ただし、ホッケーは防具やリンク使用料などの費用が高額なため、すべての家庭が参加できるわけではありません。そのため、より手軽に始められるサッカーやバスケットボールも人気があります。バスケットボールができるコートは、公園やコミュニティセンターのあちらこちらにあり、気軽にプレーできる環境が整っています。

また、カナダでは水難事故を防ぐために、水泳の習い事が広く推奨されています。多くの子どもがコミュニティセンターなどのプールで水泳レッスンを受け、一定のレベルに達するとライフガード(救命士)の資格を目指すこともできます。

さらに、チアリーディングやダンスも人気のある習い事の一つです。チアリーディングは、学校のスポーツチームの応援だけでなく、競技としてのチームも存在し、アクロバティックな技を習得する子どもも多くいます。ダンスは、バレエ、ジャズ、ヒップホップなど幅広いジャンルがあり、女の子を中心に人気があります。

近年では、武道も人気が高まっており、空手や柔道、剣道 合気道を習う子どもも増えています。

日本:個人競技も人気

一方、日本では水泳、野球、サッカー、体操、空手などのスポーツが特に人気です。水泳は、多くの子どもが習う習い事の一つであり、日本のスイミングスクールは技術向上に重点を置いています。カナダでも水泳は重要視されていますが、日本ほど「級」や「タイム」を意識する文化はあまりありません。

また、日本では個人競技も比較的人気があり、空手や柔道などの武道を習う子どもも多くいます。

音楽の習い事
カナダ:色々な楽器、ジャンルが学べます

カナダの子どもたちは、ピアノ、バイオリン、ギター、ドラムなどの楽器を習うことが多いです。特にピアノは定番の習い事であり、クラシックだけでなくジャズや音楽の楽典などのセオリーも学べます。カナダには「ロイヤル・コンサーバトリー・オブ・ミュージック(RCM)」という全国的な音楽教育システムがあり、グレード制でレベルを測る仕組みになっています。

また、小学校では管楽器(クラリネット、オーボエ、フルート、トランペット、サックスなど)を学ぶ機会が多く、高学年から中学にかけてジャズバンドやオーケストラの活動に参加することもできます。授業の一環として楽器演奏を学ぶため、幅広い音楽経験を積むことができるのも特徴です。

日本:クラシック音楽が主流です

日本でもピアノやバイオリンは人気の習い事ですが、特にクラシック音楽が中心となっています。ピアノ教育では基礎技術の習得が重視され、発表会やコンクールに向けたレッスンが行われることが多いです。一方、カナダでは音楽を楽しむことが重視され、即興演奏や作曲の要素も取り入れられています。

また、日本の学校の音楽授業ではリコーダーや鍵盤ハーモニカが一般的ですが、カナダでは管楽器や弦楽器の演奏機会が多い点も大きな違いです。

学習系の習い事(塾・チュータリング)
カナダ:チュータリング中心

カナダでは、日本のような進学塾はほぼ存在しません。しかし、個別指導の「チュータリング(家庭教師)」を受ける子どもは多く、特に数学や英語の補習を受けるケースが多いようです。また最近は、Outschool(アウトスクール)などの少人数制のオンライン授業も人気があります。

また、カナダにはフランス語を学ぶ「フレンチ・イマージョンプログラム」があり、フランス語の補習クラスを受ける子どももいます。日本では英語の塾が一般的ですが、カナダでは英語・フランス語の両方を学ぶ環境があるのが特徴です。さらに、日本で広く知られている公文(Kumon)もカナダに進出しており、特に数学と英語の学習を目的として通う子どもがいます。

日本:進学塾が主流

日本では、小学生の頃から進学塾に通う子どもが多いです。特に中学受験を目指す子どもは、小学校低学年のうちから塾に通い、受験対策を行います。一方、カナダでは小学生のうちから受験勉強をする文化はなく、子どもの自主性を重視する傾向が強いように見えます。

 

地域の習い事支援(ボード・オブ・エデュケーション、コミュニティセンター、図書館)

カナダの教育委員会(ボード・オブ・エデュケーション)

カナダでは、教育委員会(ボード・オブ・エデュケーション)が提供する ESL(英語補習クラス) や、STEM教育(科学・技術・工学・数学)、そろばんに関連するプログラムが充実しています。特に、プログラミングやロボット工学のクラスは人気があり、学校外でも学べる環境が整っています。

コミュニティセンターのクラス

カナダでは、地域のコミュニティセンターがスポーツ、絵画などのアート、音楽、語学などのクラスを提供しています。低価格で受講できるため、多くの家庭が利用しています。日本にも公民館の講座などがありますが、カナダのコミュニティセンターの方がプログラムが充実しており、移民の家庭が地域社会に溶け込むための役割も果たしています。

図書館のアクティビティ

カナダの公共図書館では、子ども向けのさまざまなアクティビティが開催されています。たとえば、読書を楽しみながらディスカッションするブッククラブ、戦略的思考を育むチェスクラブやボードゲームクラブ、3Dプリンティング、科学実験やロボット工作を体験できるSTEMワークショップなどがあります。

また、手芸に興味のある子どもや大人が集まる編み物クラブもあり、作品を作りながら楽しく交流を深める場となっています。さらに、図書館ではお話し会やアートクラフトのイベントも定期的に開催されており、子どもたちが無料で学び、さまざまな人と交流できる機会が提供されています。

 

執筆者

カナダ在住ママ:T.H.

関連記事
記事一覧へ戻る
CONTACT

お問い合わせ・相談

JPBSCのカウンセリングは無料です。留学の準備から渡航後の生活についてまで、皆さまのご質問・ご相談にお応えいたします。各種学校のお見積などもお気軽にお問い合わせください。

LINEで問い合わせる

IDから検索:

メールで問い合わせる

電話で問い合わせる

カナダ :
1-604-970-7943
LINEで相談!

JPBSCのカウンセリングは無料です。お気軽にお問い合わせください。

LINEを開く
LINEを開く