カナダに移住して感じた事・体験談

私たち夫婦はどちらも日本人で10ヶ月の息子を連れて12年前にカナダに移住しました。わたしはそれまで海外に数回旅行に行ったことがある程度で海外に留学した経験もなくまさか自分が日本を離れて海外で暮らすことになるなど想像もしていませんでした。

夫がカナダに留学したことがあり、もしチャンスがあるならいつかカナダに住みたいと思っていたようです。住みたいと思いながらもなかなか実行にうつせずだったのですが、ちょうどその頃調理師なら移民が取得できる可能性があるとのことでそこから調理師学校に行き卒業後数年日本で働いた後単身で10日間カナダにわたりカナダで仕事を見つけ日本から移民の申請をしました。まさか移民が取得できると思っていなかったのですが無事に移民を取得しカナダに来ることになりました。

しかし、わたしは不安しかありませんでした。全く英語が話せないことに加え初めての育児でてんてこ舞いの中、海外へ引越す事になりこれから始まる海外での新生活に不安な気持ちでいっぱいでした。夫の職場の人たちが住居探しや銀行開設など生活に必要な手続きを手伝って下さりかなり助けて頂きました。 

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たくさんの助けがあったのですがそれでもカナダに来たばかりのころは全てが不便に感じることも多く、毎日日本に帰りたいと思う日々でした。生活に必要不可欠なインフラがストライキによって止まってしまうことがあったり欲しいものが簡単に手に入らず、色々な場所へ何件も買い物に行かなければならず日本の便利さを痛感しました。さらに、日本に比べると物価はかなり高く住宅の家賃も信じられないほど高く毎年高騰していくばかりです。

また医療機関は混んでいることが多く命に関わるようなものでなければ当たり前に数時間待たされます。専門医の診察を受けたい場合はかかりつけ医から紹介状を書いてもらう必要があり、予約待ちの期間を含めると数ヶ月先の診察になってしまう場合も考えられます。医療費は無料ですが大きな病気にかかってしまった場合カナダの医療システムは大きなデメリットと言わざるを得ないでしょう。

そしてカナダは寒い冬の時期が長く娯楽施設も日本に比べると少ないため退屈に感じることも多いです。またカナダに限ったことではありませんが、海外に住んでいると日本に住んでいる親や兄弟そして友達にもすぐに会うことはできず寂しい思いを感じることが多々あります。

カナダに来たばかりの頃はカナダの不便なところばかりが気になっていたのですがカナダに住んでよかったなと気付いたこともあります。 カナダに住んで良かったなと思うことを紹介したいと思います。

1、多様性に富んでいる

カナダは多国籍国家でいろんな人種、背景、考え方の人が暮らしています。もちろん子供達の学校生活も同じ環境なので普段の生活からお互いを認め合い尊重し合うことを小さい時から自然と学んでいきます。周りと違うことが当たり前なので他人の目を気にすることなく自分らしさを大切にできていると感じています。

2、自然の美しさ

カナダに住んでいると自然の豊かさに本当に癒されます。自然を生かしたアウトドアアクティビティができることもメリットの一つです。

夏にはカヤックやハイキング、冬にはスキーやスノーボードなどを楽しむことができます。またわたしが住んでいるバンクーバーの気候は一年を通して過ごしやすく冬もそこまで寒くなりません。カラッとした涼しい夏はカナダの気候の大きな魅力の一つです。

3、ワークバランスが良い

仕事と生活のバランスが日本にいた時よりもいいと感じています。

基本残業はないので仕事後は自分の趣味や家族との時間を日本よりも確保できるようになりました。また有給も取りやすく有給をとって旅行に出かけたりゆっくり休んだりしてリフレッシュできるので仕事にも励むことができます。

4、医療費、教育費が無料

カナダでは歯医者と処方箋以外の診察、入院、治療といった医療費が無料です。

また幼稚園年長に当たるキンダーガーデンからグレード12まで公立の学校に通う場合は無料です。

5、子育てしやすい

子供をベビーカーに乗せてバスなどに乗ると席を譲ってくれたりバスに乗る順番を譲ってくれたりとカナダの人たちは子供にとても寛容で親切です。また公園も多く自然も豊かなのでのびのびした環境で子育てができていると感じています。

わたしが考えるカナダに住んでよかったと感じることを書きましたが、生活していく上で不便なこと、困難なことは今でもたくさんあります。でも今はカナダでの生活を選んだので家族みんなで一緒に挑戦する気持ちでなんでも勉強だと思って前向きな姿勢で受け止めるようにしています。