カナダの夏休みとサマースクール/サマーキャンプの活用法

〜ブリティッシュコロンビア州の子どもたちの夏〜

カナダでは、毎年7月と8月の2か月間、子どもたちが長い夏休みに入ります。この期間、多くの家庭では旅行に出かけたり、家族とゆっくり過ごしたりと、思い思いの時間を楽しんでいます。その一方で、子どもたちが「サマースクール」や「サマーキャンプ」に参加して、有意義で楽しい夏を過ごすのが一般的です。

特にブリティッシュコロンビア州では、教育学区（School District）が主催するサマースクールやサマーキャンプがとても充実しており、学年や興味に応じたさまざまなプログラムが用意されています。人気のあるクラスは、なんと受付開始から数分で満席になることも。保護者たちは事前にスケジュールを確認し、受付開始と同時に申し込むほど関心が高まっています。

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私の息子も毎年、教育学区のサマースクールやキャンプに参加しています。たとえば、小学3年生のときに受講した「算数とサイエンス」のサマースクールでは、教室の中だけでなく、天気の良い日は屋外での授業もありました。自然の中で行われる学びは、子どもたちにとってまさに「発見の連続」。サイエンスの授業でアイスクリーム作りの実験を体験したときは、「勉強って楽しいんだ！」と目を輝かせていました。

また、バドミントンのサマーキャンプにも参加し、基本技術をしっかりと学んだうえで、最終日にはトーナメント形式の試合も行われました。ダブルスで優勝した息子は、「本当に上手になった！」と達成感いっぱいの表情を見せてくれました。

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さらに昨年は、セカンダリースクール（中学）の新学期を迎える準備として、サマースクールの数学の予習(プリビュー)クラスを受講しました。おかげで新学期のスタートもスムーズに。体育では上級生と一緒にスポーツを楽しむ機会もあり、緊張していた中学校生活への不安も自然とやわらいだようです。

カナダの夏は、子どもたちにとって「学び」と「楽しさ」が両立できる特別な季節。

今回は、そんなブリティッシュコロンビア州のサマースクールとサマーキャンプの魅力をご紹介します。

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小学生向け　

〜学びと遊びが一体になった充実のサマープログラム〜

地域の教育学区が主催する小学生向けのサマースクール・サマーキャンプでは、「楽しく学ぶ」ことを大切にした多彩なプログラムが用意されています。リーディングや算数、サイエンスといった基礎科目の復習に加え、アート、スポーツ、音楽（バンド）、ベーキングやクッキングなどの体験型アクティビティも充実。学びと遊びがバランスよく組み合わされたカリキュラムは、子どもたちに大人気です。

また、「英語が母語でない子ども向け」のELL（EnglishLanguage Learning）クラスは、カナダに来たばかりのお子さまにも安心して参加いただけるサポート体制が整っています。英語を自然に身につけ、多文化環境に楽しく慣れていくきっかけにもなります。

「楽しい！」と「ためになる！」がどちらも叶う夏の学びの場。多くのご家庭から、毎年高い評価をいただいています。

コミュニティセンターや民間のサマーキャンプ

〜体験を通して成長できる！地域の人気サマーキャンプ〜

サマースクールとは別に、地域のコミュニティセンターや民間団体が主催する「サマーキャンプ」も、毎年多くの子どもたちに大人気です。カヤックやハイキング、スポーツ、クラフト、木工作品づくり、演劇など、身体を動かして楽しむアクティビティが中心。学校の授業とはひと味違う、体験を通じた学びが子どもたちの好奇心を引き出します。

異なる学校や年齢の子どもたちと一緒に過ごすことで、社会性や協調性、自立心も自然と育まれます。仲間と協力しながら得る達成感や友情は、夏休みのかけがえのない思い出となることでしょう。

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バンクーバー周辺では、次のような個性豊かなサマーキャンプが人気です

Science World Camp：サイエンスワールド主催のSTEM（科学・技術・工学・数学）に特化したプログラム。実験やロボット制作など、楽しみながら学べる内容が充実。

Arts Umbrella：ビジュアルアートやダンス、演劇など、芸術分野に特化した本格的なキャンプ。アート好きなお子さまには最高の環境です。

Pedalheads：自転車、スイミング、スポーツを通して体を動かしながらスキルアップを目指すプログラム。初心者にも優しく、安全面も徹底しています。

YMCA Day Camps：自然体験やチーム活動を通してリーダーシップや協調性を育む内容。年齢に応じた多様なコースがあり、保護者からの信頼も厚いキャンプです。

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セカンダリースクール

〜予習と復習で学力アップ！〜

中学生（セカンダリースクール）向けのサマースクールでは、より学習目的に合わせたプログラムが用意されています。苦手な教科を復習する「リビュー（補習）クラス」、次の学年の内容を先取りする「プリビュー（予習）クラス」があり、自分の目標に合わせて選ぶことができます。

これらのクラスは通常4週間の短期集中型で、1クラス30人ほどの少人数制。先生との距離も近く、じっくり学べる環境が整っています。新学期を自信を持って迎えるための準備として、多くの生徒たちが積極的に参加しています。

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高校生

〜将来につながる本格的な学びのチャンス！〜

高校生向けサマースクールでは、よりアカデミックで実践的な内容が中心です。特にブリティッシュコロンビア州では、夏の間に1セメスター分の「単位」が取得できる正式なクラスが開講されています。英語、数学、理科、社会などの主要科目のほか、卒業に必要な単位を夏のうちに取得しておくことで、学期中の時間に余裕が生まれ、進路選択の幅も広がります。

ただし、1セメスターの内容を約5週間で学ぶため、内容はかなりハードです。集中力と意欲が求められる分、達成感も大きく、学習への自信につながります。

また、高校生の多くは、地域のコミュニティセンターやイベントでのボランティア活動にも参加しています。リーダーシップや責任感を養うこうした体験は、履歴書や進学時のアピールポイントにもなり、将来の可能性を広げてくれます。

夏休みを「自分を伸ばす時間」に変えるこの機会、ぜひお子さまに体験させてみませんか？

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家庭の都合にも合わせやすい柔軟な仕組み 

サマースクールは,教育学区のクラスは無料または非常に低価格で提供されており、家庭の経済的負担が少ないのも大きな魅力です。また、「午前のみ」「午後のみ」「一日コース」など、家庭のスケジュールに合わせて選べる柔軟なプログラムが用意されています。

登録は基本的にオンラインで簡単に行えますが、人気のクラスは受付開始と同時に定員に達することもあるため、春頃からスケジュールを確認しておくのがおすすめです。

まとめ：夏休みも学びと成長のチャンス

カナダの夏休みは、単に「遊ぶ」だけの時間ではありません。子どもたちが自分らしく成長し、新しいことに挑戦する絶好の機会です。ブリティッシュコロンビア州のサマースクールやサマーキャンプは、学びと遊びがバランスよく組み合わされており、多くの子どもたちにとって刺激的で実りある夏の体験となっています。

特に、海外から来たばかりのご家庭にとっては、学校や地域にスムーズに馴染むきっかけとなり、新しい友達を作る大切な場にもなります。

カナダの夏をより豊かに、そして実りあるものにするために、ぜひサマースクールやサマーキャンプを積極的に活用してみてはいかがでしょうか。

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執筆者

カナダ在住ママ：T.H.