カナダ高校留学・ボランティア活動について

 カナダのセカンダリースクール(高校)では、卒業要件の一環として、一定時間のボランティア活動を行うことが求められています。これは、学生が地域社会に貢献しながら責任感や社会性を養うことを目的としており、多くの州で卒業までに30時間のボランティアが必須とされています。

この時間は正式な卒業要件の一部であり、達成できなければ高校卒業資格を取得することができません。

さらに、大学によっては入学選考時に「ボランティア活動時間(ボランティアアワー)」の提出を求める場合もあります。たとえば、ブリティッシュコロンビア大学(Universityof British Columbia, UBC)では、特定のプログラムへの出願時に、課外活動やボランティア経験について詳細な記載が求められます。UBCではリーダーシップや地域社会への貢献を重視する傾向があり、特に社会福祉学部では、出願時に最低100時間のボランティア経験が必要とされています。

このように、具体的な時間数を条件とする学科もあり、高校時代のボランティア活動は単なる卒業要件にとどまらず、将来の進学にも大きな影響を与える重要な経験となります。

私の息子(現在8年生)も、上級生の兄弟がいる友人の紹介で、毎週月曜日の放課後にボランティア活動に参加しています。彼らは学校に隣接する公園で1時間のゴミ拾いを行い、ボランティアアワーを取得しています。このように、身近な人からの紹介をきっかけに活動に参加することで、無理なくボランティアに取り組むことができます。

今回は、カナダのセカンダリースクールにおけるボランティア活動の探し方、種類、ボランティア時間のクレジット取得方法、活動先の選び方、そしてボランティア活動を通じて得られるメリットについて詳しくご紹介します。

ボランティアの探し方

「ボランティアを始めたい!」と思っても、どこで探せばよいのか分からないこともあります。しかし、ボランティアの機会を見つける方法はいくつかあります。

まず、学校の掲示板をチェックしてみましょう。地域のイベントや団体の募集情報に加え、学校内でのボランティア募集(たとえば、保護者向けの学校案内イベントのサポートなど)が掲載されていることもあります。学校内の活動は、通いやすく、安心して参加できるのが特徴です。

次に、コミュニティセンターを訪れるのも良い方法です。地元の施設では、さまざまなボランティア活動の募集があり、どのような活動があるのかを知ることもできます。また、スクールカウンセラーに相談するのも有効です。カウンセラーは、卒業要件に適したボランティア活動の情報を持っていることが多く、自分に合った活動を見つける手助けをしてくれます。

さらに、すでにボランティアを経験している友達に話を聞くのも良いでしょう。実際に体験した人から直接おすすめの活動を紹介してもらえる場合もあります。

このように、身近なところから情報を集めることで、自分に合ったボランティア活動を無理なく見つけることができます。

ボランティアの種類

ボランティア活動にはさまざまな種類があり、学生は自分の興味や将来のキャリアに関連する活動を選ぶことができます。例えば、教育に関心がある人は、小学校での学習サポートや図書館などで読書支援のボランティアをすることで、子どもたちと関わりながら教える楽しさを学ぶことができます。一方、環境保護に関心がある人は、公園の清掃活動やリサイクル推進のボランティアを通じて、持続可能な社会づくりに貢献することができます。また、日本から来た留学生が日本語クラスをサポートするボランティアをしている例もあり、母語を活かして他の生徒の学習を助ける貴重な機会となっています。

このように、ボランティア活動は単なる社会貢献にとどまらず、自分の興味を深めたり、新しいスキルを身につけたりする良い機会になります。

また、ボランティアは地域社会とつながる重要な手段でもあります。地域の高齢者施設や病院でのサポート活動を通じて、人と人とのつながりを感じることができるでしょう。動物が好きな人は、動物保護施設での世話や譲渡会の手伝いをすることで、ペットの命を救う活動に関わることができます。さらに、イベント運営や募金活動のボランティアは、コミュニケーション能力やリーダーシップを養う良い機会になります。ボランティアの種類は多岐にわたるため、自分に合った活動を見つけることが大切です。

このように、ボランティア活動にはさまざまな選択肢があり、学生にとって多くの学びや成長の機会を提供してくれます。どの活動を選ぶにしても、積極的に取り組むことで、社会に貢献するだけでなく、自分自身の成長にもつながります。まずは興味のある分野から挑戦し、自分に合った活動を見つけてみましょう。

ボランティア時間の記録とクレジットの取得

学生は、ボランティア活動を行った証明として「ボランティア時間記録シート」に記入し、活動先の責任者からサインをもらう必要があります。このシートは学校のカウンセラーに提出し、卒業要件として認定されます。

また、ボランティア活動を単なる時間稼ぎではなく、より学びの深い経験とするために、以下のような工夫が求められます。

関心のある分野を選ぶ

 将来のキャリアや興味に関連する分野でボランティア活動を選択することで、より主体的かつ意欲的に取り組むことが可能となります。たとえば、医療分野に関心がある場合は病院でのボランティア、教育分野に興味がある場合はピア・チューターとしての活動が適しています。加えて、将来的に進学を希望する大学や学科で求められる経験を考慮して活動を選ぶことは、進学後の学びにおいても大きな強みとなるでしょう。

 

継続的に参加する

単発のボランティアよりも、長期間にわたって関与することで、より深い学びを得ることができます。

リーダーシップを発揮する

ただの参加者としてではなく、イベントの企画や運営に携わることで、リーダーシップスキルを養うことができます。

ボランティア活動のメリット

ボランティア活動を通じて得られるメリットは多岐にわたります。

人間関係の構築

新しい人との出会いがあり、交友関係が広がります。特に、異なる年齢層の人々と関わる機会が増えるため、コミュニケーション能力が向上します。

進学や就職に有利

ボランティア経験は大学や奨学金の申請時にプラス評価されることが多いです。特に、カナダの大学では課外活動の経験が重視されるため、積極的に取り組むことが重要です。また、履歴書にも記載できるため、就職活動でもアピールポイントとなります。

社会への貢献意識の向上

自分の行動が社会に貢献していることを実感し、より積極的に地域活動に関わる意識が芽生えます。

スキルの向上

チームワーク、問題解決能力、リーダーシップ、時間管理能力など、社会で必要とされるスキルを実践的に学ぶことができます。

バンクーバー島スーク学区内の高校

まとめ

カナダのセカンダリースクールでは、ボランティア活動が卒業要件の一部となっており、学生は地域社会に貢献しながら多くの経験を積むことができます。学校内外のさまざまな活動を通じて、コミュニケーション能力、責任感、リーダーシップなど、多くのスキルを身につけることができます。単なる義務としてではなく、自分の興味や将来のキャリアにつながる活動を選び、有意義な経験を積むことが大切です。また、大学進学の際にボランティア経験の提出を求められる場合もあるため、高校時代から積極的に取り組むことが将来につながります。

 

執筆者

カナダ在住ママ:T.H.

 

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