カナダの高校留学における失敗の要因

「失敗する留学第2弾」では、特にカナダの高校卒業を目指す留学生に焦点を当て、その失敗の要因を深く掘り下げます。例えば、「海外の高校は校則もなく、自由で楽しい雰囲気だろう」といった漠然とした期待だけで留学を決めると、厳しい学業や文化の違いに直面し、ショックを受けることがあります。

特に語学力が十分でない状態で留学を開始すると、授業内容を理解できず、現地の友人とのコミュニケーションにも苦労し、孤立感やストレスが増してしまいます。その結果、精神的な負担や学業面での挫折のリスクが高まります。

 さらに、カナダの高校卒業に必要な要件やカリキュラムの特性を十分に理解しないまま留学を進めると、予期しない困難や課題に直面する可能性が高まります。今回は、どのような準備不足が失敗につながるのか、そしてそれに対してどのような対策が取れるのかを具体的に考察します。

 

英語力について 

カナダに高校受験はありませんが、カナダの高校を卒業するためには、高い英語力が求められます。日常会話ができても、学術的な文章の読解、エッセイの執筆、プレゼンテーションなどのスキルが不足していると、授業についていくことが難しくなります。例えば、ある留学生は日本での英語成績が良かったものの、現地での難解な文学作品、例えば、シェークスピアなどの古典文学や専門用語に苦戦し、結果的に英語力不足で卒業を延期せざるを得ませんでした。このような失敗を防ぐためには、留学前にアカデミックな英語力を強化し、留学後も積極的にサポートを受けることが重要です。

 

カナダの高校カリキュラムと留学生が陥りやすい失敗 

カナダの高校を卒業するには、現地のカリキュラムや卒業要件をしっかりと理解し、十分な準備をすることが不可欠です。カナダの教育は自主性を重んじるスタイルであり、州ごとに異なるカリキュラムが設定されています。例えば、ブリティッシュコロンビア州(BC州)では、10年生から12年生の間に80単位を取得する必要があります。そのうち52単位は必修科目であり、さらに選択科目を含めて自分で学習計画を立てることが求められます。

カナダの高校に隣接した公園

  

グレード12で履修する英語クラスは難易度が高く、母語が英語の生徒であっても、文学作品の分析や複雑なエッセイ執筆に苦労します。留学生にとっては、これに加えて語学の壁が大きな障害となり、授業の内容を理解するだけで精一杯になることがあります。このような負担から、多くの留学生が時間管理や学業に適応できず、成績が思うように伸びないという失敗に陥りやすいです。

 

また、キャップストーンプロジェクトやリテラシー試験、数学試験といった追加の要件も、留学生にとってはさらなるハードルとなり得ます。このため、短期的な目標設定ではなく、長期的な視点で計画を立て、現地の文化や生活に適応しながら進むことが重要です。

 

日本の高校で取得した科目の移行と留学生が陥る失敗 

日本の高校で取得した科目がカナダで認められるかどうかは州によって異なり、特に英語や社会科など現地の教育方針に基づく科目は、移行が難しいことが多いです。BC州では、卒業に必要な単位を現地で取得する必要があるため、日本で履修した科目がすべて認められるわけではなく、留学生はそのギャップに戸惑うことがあります。

この単位移行の難しさを事前に理解していないと、計画通りに卒業ができないという失敗に陥ることもあります。過度な期待が、留学生活における大きな障害となる場合があるため、柔軟に対応する姿勢が求められます。

 

成功への長期的視点の重要性 

例えば、高校2年からカナダに留学し、2年で卒業を目指すことは非常に難しいと言えます。短期間で語学力を大幅に向上させながら、カナダの教育課程の必修科目を全て修了するのは厳しく、学習内容の違いや評価基準への適応に時間がかかるため、成績が思うように伸びないこともあります。

短期間で卒業を目指すと、プレッシャーが増し、最悪の場合、留学そのものを諦める結果に繋がることもあります。また、無理な目標設定は精神的な負担を増やし、学業へのモチベーションを失う原因にもなりかねません。

 留学は単に学位取得だけでなく、異文化の中で自立心や精神的な強さを養う貴重な機会でもあります。成功させるためには、短期的な成果にこだわらず、長期的な視点で計画を立てることが重要です。焦らず現地文化や生活に適応しながら成長することで、留学経験を有意義なものにし、成功に導きましょう。

 

経済的負担のリスク 

留学期間が想定以上に延びると、経済的な負担も増大します。授業料や生活費だけでなく、補習や追加のサポートが必要になる場合もあり、その費用は家庭にとって大きな負担となります。経済的なプレッシャーが増すと、生徒自身のモチベーションや学業への集中力が低下し、結果的に留学生活全体に悪影響を与える可能性があります。予期せぬ費用にも対応できるよう、留学前にしっかりとした経済的計画を立てることが、成功の鍵となります。

 

留学成功への道 

留学中にコースプランや授業で困ったことがあれば、まずは学校のカウンセラーに相談してみましょう。彼らは的確なアドバイスを提供してくれますし、学業のサポート体制も整っています。また、チューターによる個別指導を受けられる学校も多く、特に授業でつまづいた時には心強い味方になります。このようなサポートを活用することで、自信を持って学業に取り組むことができるでしょう。

 

さらに、多くの学校ではPLT(Personal Learning Time、自習学習)が時間割に組み込まれているため、授業や課題でわからないことをこの時間に先生に質問し、早めに解決することが重要です。問題を一人で抱え込むのではなく、積極的に周囲に助けを求める姿勢が成功へのカギとなります。

 

留学は決して簡単な道ではありませんが、困難に直面しても諦める必要はありません。どんな状況でもサポートを受けながら、自分の目標に向かって努力を続けることで、必ず道は開けます。失敗を恐れず、挑戦し続けることが留学の成功に繋がる大きな要素です。どんな壁にぶつかっても、諦めずに一歩ずつ進むことが、あなたの留学生活を充実したものにするでしょう。

 

執筆者

カナダ在住ママ:T.H.

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